受け継がれる、技術と美意識

静岡・牧之原。
かつて、全国に名を馳せたお茶の名産地。
この土地で、私たちはずっとお茶と向き合ってきました。
摘み方一つ、蒸し加減一つにまで神経をとがらせる、繊細な仕事。
“美味しさ”をつくるのは、技術だけでなく、美しさを見極める目と、香りを感じ取る感覚です。

茶業の衰退と、次のかたち
しかし今、茶の価値は少しずつ忘れられ、
静岡の製茶は厳しい時代に入っています。
それでも、この「技」と「美意識」は、きっと次のかたちでも生きていける、と私たちは思いました。

お茶の感覚が向かった先にあった果実-いちじく-
市場に並ぶドライいちじくの中には、
「本当に美味しい一粒」と出会えるものは、多くありませんでした。
香りが少なかったり、かたかったり。
どこか“仕方なく選ぶ”ような存在になっているように感じたのです。
もっと香り高く、もっと美味しく、もっと美しく。
そんな一粒を、お茶に向き合ってきた私たちの手で届けたい。
やわらかさ、香り、甘み——
その魅力をそっと引き出す仕事は、どこかお茶づくりに通じるものがあります。
そうして生まれたのが、MITSURICCHI®ドライいちじくです。
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技と感覚を、果実に込めて
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「伝統をつなぎ、未来を創る。」マルエス菜園100年の歩み
マルエス菜園は、静岡県中部の牧之原市にあります。全国有数の日射量と大井川の豊かな水源に恵まれています。温暖な気候と赤土の豊かな土地は、お茶やいちじくの栽培に最適です。

江戸時代の1645年(初代・半四郎家)に静岡県牧之原で農業を始めたことにルーツを持ちます。初代は米などを栽培しながら、この地の豊かな自然とともに歩んできました。
1925年、11代目が茶工場「マルエス」を創業。
静岡県牧之原の地で本格的に製茶業を開始し、お茶の栽培、加工と販売を行いました。しかし、太平洋戦争により茶工場は一時閉鎖。
12代目 共同茶工場「丸甲」の初代組合長に就任
戦争により茶工場を閉鎖、その後は地域の仲間とともに共同工場を設立し、加工を継続。茶葉・米・果樹の栽培を続けながら、次世代へと農業を継承していきました。
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13代目が就任後、新茶の通信販売を開始。
お店を持たずに通販だけで全国発送を行い、これまでに累計1万本以上の販売実績があります。共同工場の合併に伴い「坂三坂部茶農協」に出資し、加工を継続。
2001年には、イギリス・バーミンガムで開催された「ジャパン・エキスポ」に参加。
海外へも静岡茶の魅力を発信し、茶業振興にも努めました。この国際的な活動は、後の静岡茶のブランド価値向上にもつながっています。
ジャパンエキスポの様子。
2009年には、静岡空港を訪れたバーミンガム大学ジャパンセンターのワトソン教授と再会。静岡新聞にも掲載されるなど、茶業を通じた国際交流も行われました。

2003年、14代目が就農し「牧之原・なおさん農場」として新たなスタートを切る。
そして、2022年、加工・販売部門として「株式会社マルエス菜園」を設立。
伝統の製茶技術を受け継ぎながら、新たな挑戦を続けています。
400年近い歴史を持つマルエス菜園は、これからも伝統を守りながら、新しい価値を生み出し、未来へと続いていきます。